全員が規則正しくそれぞれの列車に乗ってしまったプラットホームで、乗り遅れたナスカは一人、はらはらと泣いていた。“チコク”というこれから貼られるレッテルに身を震わせ、未来の希望は塩味の涙になって流れ落ちていった。
1-1:朝のプラットホーム
「あ〜〜〜!!!」
山々のせせらぎは里の川に下り、無数の川は大河に下る。大河は濁流となって、一つの方向へ激しく流れて行く。
日本中のほとんど全員が同じところに移動しようと濁流となり、朝の鉄道駅は人で溢れかえっていた。不思議と岩や岸に当たって水飛沫を上げることなく、スムーズに、しかし速く流れていた。
朝の叫び 「あ〜」
インターネットの深い森
ハゲトは自宅のアパートメントの一室で、することがないことに悩んでいた。
ハゲトは、趣味を持っていなかった… インターネットで『趣味』を検索した。
世の中には色々な趣味が存在し、それをインターネットの世界に公開している人たちがたくさんいる。
… おもしろい。