人生の旅において、来るところまで来てしまった… 考えていたような楽園には行けず『荒涼とした失望』といったものが今、目の前に広がりつつある。
趣味のカメラと貧乏自慢
そのバカな男は、カメラで写真を撮ることも趣味の一つだった。
使い慣れた古いカメラで、今回は豪華客船を撮りに港まで行った。
同じように客船を撮りに来ている人たちがたくさんいて、皆、なかなかいいカメラを持っていた。
間違いだった、と気付く朝
今日も、朝が来た。
今の自分が、自分に認められる自分ではないと、自分を責めたてる。
疲れて、眠くて、身動きがとれない。周りの人間がみんな素晴らしく見える。それに比べて自分は…
それでも今日もまた、一日が始まる。
目の前に続いている道(TAO)を行くしかない。
しあわせを
外に求めて
力尽き
間違いだったと
気付く朝
平日の朝から酒を買いに行くという自由
ある平日の朝、コンビニエンスストアで、浮浪者のような人が朝から酒を買っていった。
浮浪者のようだと言っても、安酒を買えるくらいの金は持っているようだ。
そしてその人をよく見ると、かつての知り合いで、一部上場会社に勤めていた人だった。
見た目は浮浪者だが、会社員時代には考えられない『平日の朝から酒を買いに行く』という自由を、その人は謳歌していた。
会社員は朝から会社に行く。
その人は朝から酒を買う。
会社員
お金のために
出勤し
貧乏人は
朝から自由
みんな、いつの間にか偉くなってる
車の点検をしにカーディーラーに行ってきた。買うときに世話になった営業マンが、事務所の一番奥のデスクに座っていた。
偉くなったんだな。
何も変わらない自分は… とりあえずトイレに行った。鏡には、成長の止まったみすぼらしい自分が映っていた。
カーディーラー
営業マンが
奥にいる
いつの間にか
偉くなってる
何も考えを介在させることなく、目の前のTAO(道)を行く
苦しいとき、迷いのある時、日常の全てを単純作業と捉え直す。
何も考えを介在させることなく、目の前のTAO(道)を行く。
苦しいな そんな時でも 目の前に
やることあるし できることある
自分が思っていたよりも、ヤバいくらい老けている自分
迷いのテツガクから、迷わないテツガクへ
「求めよ。さすれば得られん」という言葉があるじゃないですか。
信じれば得られるっていう感じ。
でも違う時もあると思うんです。
特に疲れている時。
ああ、人生、失敗だ… 結局…
バカな男は今日も、後悔していた。
ああ、人生、失敗だ… 結局、何も得られてないじゃないか…
お金持ちになっていないとか… 希望通りの人生になってないぢゃないか。結局何も得てこなかった…
しかしそれは大きな間違いである。
哲学的ではない焚き火
焚き火をした。人生について深く考える時間が持てるだろうと思っていた。そして深夜まで火を焚き続けた。
その数時間、考えていた事は『焚き火をしっかりと維持すること』だった…