そのバカな男は、カメラで写真を撮ることも趣味の一つだった。
使い慣れた古いカメラで、今回は豪華客船を撮りに港まで行った。
同じように客船を撮りに来ている人たちがたくさんいて、皆、なかなかいいカメラを持っていた。
バカな男は、自分の古いカメラと周囲の人のカメラ機材を、無言で比較し始めた。
随分と差がある。
そして、劣等感を感じた。
誰も、機材の自慢なんてしていない。客船を撮影することを楽しんでいる。
そのバカな男だけ、ココロの中で『自分のカメラはショボい」と貧乏自慢していた。
趣味カメラ
人のカメラを
うらやんで
写真の出来なぞ
無関係