毎朝、毎日、時間にコキ使われているバカな男がいた。
目覚まし時計で強制的に起こされ、決まった時間の電車に乗り、決められた時間に仕事をして、決まった時間に食事をして、睡眠時間を十分確保しようと、早めに就寝する。
そしてある朝、そのバカな男は寝坊をして、駅まで走りまくった。
結局、電車は最初から遅れていた。
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時間とは
使われるのか
使うのか
追われる時間
あふれる時間
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時間は使うもの。
使われるものじゃない、と、そのバカな男は思いついた。