雨に向かって怒り狂うバカな男

気が向いて、散歩に出かけた。
さっきまで確かに晴れていたのに、雨が降り出した。
バカな男は、降ってくる雨に怒りをぶつけた。
なぜ今、降るんだ! お前らはさっきまで降ってなかったじゃないか! 何考えてるんだ! いい加減にしろよ! 雨っ!
バカだなあ。
ホントにバカだなあ。
雨に怒りをぶつけても仕方ないじゃないか。その辺に転がってる石ころや、重さを感じるからって地球の重力に対して文句を言うくらい、バカげている。
降り出した
雨にムカつく
その男
愚かさにもな
程があるぞよ

何を見ても劣等感を感じるゾーン

「あの人は自分より金を持っている」
「あの人は自分よりいいものを買っている」
「あの人は自分より金のかかった旅行をしている」

そして自分は、あの人達に比べてお金を持っていない…

バカな男は今日も朝から、何を見ても劣等感を感じるゾーンに入っていた。

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信号一つ待ったところで、何の問題がある?

バカな男がまた朝から考えた…

👉朝、歩いている少し先の交差点の信号が、微妙なタイミングで、青信号になっていた。

急いで歩けば、たぶんその青に間に合う。

普通に歩いたら、ちょうど赤になって、一番待ち時間の多いタイミング、となるだろう。

イラッ💢

なぜお前(信号器)は、そんな微妙なタイミングで青になる? 

もう少し後に青になるとか、いっそのこと青にならずに、オレが到着してから、青になれよっ…

腹立つな〜

───

だから、先の信号を見ないようにした。

信号一つ待ったところで、何の問題がある?

ヘタに先の事を見通そうとするから、イライラする…!

『普通はねぇ…』なんて

バカな男は、朝から『普通』に襲われていた。

周りの人間はいつの間にか『普通・標準』を身に着けて、それなりの地位と名誉と金を得ていた。

バカな男は知らなかった。そして幸福だった。

知ってしまうとバカが出来なくなって、カシコイ人間にならなくてはいけなかった。

知らなかったから、バカな男はバカをやってきた。

バカな男は思う。

普通とは
知ってしまえば
   縛られる
    社会の常識
    世間の常識