今からでも全然遅くない、と自分に言い聞かせる毎日。
老けていく 夜が更けていくように
鏡で 疲れている自分を見た
老けている
しかしだな 夜がふけていくように
人間もまた ふけていく
自然のサイクル
疲労していると分かったとき
バスの「降りますボタン」が…
『お困りの方はこのボタンを押してください』に見えた。
困っていたのでこのボタンを押したら…
バスの運転手さんが「ハイッ、次、ごにょごにょ」
と言ってくれた。
ヤバい ことに気付いた…!
バカな男が、またバカなことを朝から考えていた。
👉よく考えたら、よく考えなくても、この地球はいつか終わるんだ。
地球どころか、太陽も、銀河系も、いや、宇宙全体も、永遠ではない。
ヤバい… いつかはなくなってしまう…
今のうちにやろうと思っていることをやってしまわないと、地球はなくなってしまう。どうしよう…
あっ、地球どころか、太陽も、宇宙全体もいつかは収縮して無くなってしまうんだった。 ああ、どうしよう…
───
そして結論は得ないのだった。それがそのバカな男の日常であり、そんなバカな男がこの宇宙の一部を形作っているのだった。
元気の無い大人は、対価が無いと走らない
「明るいブログ」で検索してみた
何とか明るくなりたくて…
足長兄さん
電車のボックス席の、奥が空いていた。手前には、足の長いお兄さん座っていた。通路にまで足を伸ばさないと座れないほど、足が長かった。
ベルトの穴にやられた男
その男は、大きな会社の会社員だった。やるべき事はやり、何事にも手を抜かず、いつも最大限にパフォーマンスを発揮していた。
ある日、大勢のお客さんの前でのプレゼンテーションがあった。その直前に、コンビニエンスストアで買った菓子パン類を昼食として食べた。ところが食べ過ぎたのか、腹がきつい事に気付き、ベルトを緩めようと手をかけた。
そして自分のベルトの穴が、ひどく傷んでいる事に気づいた。
不摂生により腹が出て、それを無理やり締め付け、酷使されたベルト。ベルトの留め金を無理に通され、楕円形にひん曲がったベルトの穴達。おまけに表面の『ビニールで出来た皮』が穴の周囲で剥げており、下地の茶色のビニールだか紙だか分からないものが見えていた。それはベルトの穴の周辺だけでなく、ベルト全体にその無残なひび割れを晒していた。
男は唖然としてそれを眺めた。そして、男の前にプレゼンテーションを行った男性が演壇から下りてくるときに、彼のベルトを鋭い目線で見て、自分のベルトと比較した。
彼のベルトの穴は、正確な円だった。円の周囲の『本革』はピンとしており、剥げているところはどこにもない。真っ黒で、綺麗なままの穴達が並んでいた。見るからに、ちゃんとしたベルトだった。
男はその事に気付いた瞬間から、絶望的な気分になった。まるで誰かに深い谷底に落とされたように、気分が落ちていった。
自分がどうしようもなくみすぼらしく、劣っているようにしか考えられないようになった。あいつはちゃんとしたベルトをしている、私はボロボロのベルトをしている。あいつは年相応のものを身に付けている、私はいい年をしてみすぼらしいものを身に付けている…
その男は『ベルトの穴』に完全にやられていた。小さな小さなベルトの穴に、完膚なきまで打ち負かされていた。直径5ミリにも満たない小さな穴に、全ての自信を奪われた。
男はオドオドとした様子でプレゼンテーションを行った。目は泳ぎ、どこにも自信を感じさせるものはなかった。
しかし実際のところ、その男の傷んだベルトの穴など、誰も見ていなかった。誰もそんなことに興味がなかった。
その男は、ベルトの穴ごときにやられただけだ。