投稿日: 2020年5月4日2020年9月2日世界の起点 ナスカは初夏の明るい夕方、空が映り込んでいる水田の間を歩いていた。 アスファルトの黒く硬質な直線が、水田の間をまっすぐに伸びていた。 ナスカの周り一面には、水が張られた何枚もの水田が広がっていた。風はなく水田はピタリと静止していて、昼間と夕方の間の空を寸分の狂い無く映し出している。空の色と、水の色と太陽の光が混ざってそれは、何枚も隙間なく敷き詰められていた。 “世界の起点” の続きを読む