夜の田んぼ道 その一

 
蛍舞う
 
 映り込む田の 水鏡
 
 
 
 
 
蛍が深夜の水田の上を舞い、水面(みなも)に蛍の灯が硬く映り込み、光の乱舞となっていた。
 
 
今年ももう、そんな季節か…

こんがらかって、立ち尽くす

春富士で
 
 こんがらがって
 
    立ち尽くす
 
 
 
 
 
 
 自分は何をすべきか、何がやりたいのか。
 
 富士の山麓に来ても、気持ちがこんがらがって何が何だか分からなくなり、立ち尽くす。
 
 旅をして何かを発見するどころか、漂流している。
 

人生の暑い駅

 
 
溜め込んだ
 
 色んなものを  暑い駅
 
 
 
 
 
 
 
 いくつか駅があるんだよ、人生には。
 
 ああ、色んなものを溜め込んでしまったな。しかし暑いな、今日は。
 
 暑苦しいほどに、色々と溜め込んでいる。

すぐそこに見えるのだが

白の富士
 
  近いようで 遥か先
 
 
 
 
 
 
 
 もう、すぐそこに富士の高みが見えて、少し登れば到達できるんじゃないかと思う。しかし実際は、まだまだ遥か彼方なのである。

揺れる春ススキと哀愁

 

 
背中行く
 
 揺れるすすきと  露の身と
 
 
 
 
 
 
 秋っぽいですが、初夏の出来事。前を見ると若々しい春ススキが揺れ、その先には、人生の色々なものを背負ってしまった人間の、物悲しい背中が行くのが見えた…