朝から疲れてんなぁ

「お降りの方は」だろ?
 
鬱の朝
バスのボタンに
   すがりつく
 
ポチッと押しても
 バス止まるだけ
 
 
 
 
 
 朝の通勤バス。降りるときに押すボタンが、助けてくれるボタンに見えるんすよ。
 

夜の田んぼ道 そのニ

蛙鳴く
 
 蛍燐燐 田んぼ道
 
 
 
かわずなく ほたるりんりん たんぼみち
 
 
 
 
 カエルがゲロゲロとうるさく鳴いているし、蛍も舞っている。なんともにぎやかな、夜の田んぼ道。会社帰り。
 

夜の田んぼ道 その一

 
蛍舞う
 
 映り込む田の 水鏡
 
 
 
 
 
蛍が深夜の水田の上を舞い、水面(みなも)に蛍の灯が硬く映り込み、光の乱舞となっていた。
 
 
今年ももう、そんな季節か…

こんがらかって、立ち尽くす

春富士で
 
 こんがらがって
 
    立ち尽くす
 
 
 
 
 
 
 自分は何をすべきか、何がやりたいのか。
 
 富士の山麓に来ても、気持ちがこんがらがって何が何だか分からなくなり、立ち尽くす。
 
 旅をして何かを発見するどころか、漂流している。
 

人生の暑い駅

 
 
溜め込んだ
 
 色んなものを  暑い駅
 
 
 
 
 
 
 
 いくつか駅があるんだよ、人生には。
 
 ああ、色んなものを溜め込んでしまったな。しかし暑いな、今日は。
 
 暑苦しいほどに、色々と溜め込んでいる。

すぐそこに見えるのだが

白の富士
 
  近いようで 遥か先
 
 
 
 
 
 
 
 もう、すぐそこに富士の高みが見えて、少し登れば到達できるんじゃないかと思う。しかし実際は、まだまだ遥か彼方なのである。

揺れる春ススキと哀愁

 

 
背中行く
 
 揺れるすすきと  露の身と
 
 
 
 
 
 
 秋っぽいですが、初夏の出来事。前を見ると若々しい春ススキが揺れ、その先には、人生の色々なものを背負ってしまった人間の、物悲しい背中が行くのが見えた…