時のエレベータ

 仕事にヘトヘトになったハゲトは、駅に向かって田んぼ道をトボトボと歩いていた。辺りはもうすっかり暗くなっていた。広がる田んぼの先に、暗闇に浮かぶ駅舎の明かりが見えていた。

 

 近くまで到着したハゲトは、二階にある改札口を見上げた。二階に上がるためには、階段と、もう一つは稼働して何十年になるか分からないエレベータがあった。そしてハゲトは、うす汚れた上向きの矢印ボタンをガチャリと押した。

 

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