朝の通勤電車 ─ それぞれの理由

 朝の通勤電車。

 ドアの前で、かたくなに動かない女性。みんな君を避けて通っている。

 大きな声で、発車します!発車しますと叫び続ける車掌。十分聞こえている。

 朝から、イラッとくる。なぜみんな、心地よく過ごそうとしないのか、朝から。イライラさせるヒトたち。

 しかし─

 それぞれ理由があった。

 ドアのオンナは、すごく混雑するこの列車で、次の駅で降りなければならなかった。この混雑の中で奥まで入っていたら、降りるのに相当な苦労があったろう。

 叫び続ける車掌は、みんなを安全に運ぶために一生懸命やっているだけだ。よく注意しないとウッカリしているヒトがいるかもしれない。

 そしてある駅のホームでは、毎朝、ボス(のようなヒト)が辺りに睨みを効かせて立っている。あのボス(のような人)は、なぜいつも電車に乗らずにホームに立っているのだろう? その理由は分からない。

 そんな、朝。