てつがく Philosophy, 物語 Storys

 今、我々のほとんどが乗っている船は、大きくて立派で、部屋が無数にあって、すごく豪華な部屋もいくつか用意されている、そんな船です。
 
 すごく豪華な部屋は、部屋数が少ないのですよ。そしてそこに住むヒトはだいたい決まっ ...

物語 Storys, 駅前のカミサマ

 わたくしムラヒトの住んでいるところには、カミサマも生活しておられます。

➡『駅前のカミサマ』

 今朝、そのカミサマがふらふらと散歩しておられました。何にもお持ちにならずに、フラフラと。

ナスカの旅, 物語 Storys

ナスカは旅に出た。南海のある孤島の奥地には原住民の村があり、最高の幸福に包まれている村、という噂だった。

ここは、絶海の未開の孤島だ。整備された港もなく、上陸するには小さな小舟に乗り換えて、足を濡らして砂浜 ...

てつがく Philosophy, 物語 Storys

初老の男が、駅前のベンチで寝ていた─ 寝てはいない。静止しているだけだった。

彼はつい先日まで、いや、もう数年たったかもしれないが、勤め人として働いていた。真面目に働いた。

その役目が終わり、いつも通っていた駅 ...

てつがく Philosophy, 劣等感の男エヌ, 物語 Storys

 男は全てを手放した。前には道があるだけだった。これから死へ向かう時間の経過、これからの残された可能性があるだけだった。

 今、万策尽きた。自分の思うところはすべてやってきた。その結果、手の中には何も残っていなかった。この ...

ナスカの旅, 物語 Storys

「ヒトは辛いことと無縁で生きられるか」という鉄(考察)が今熱いので、以前に発信した話しを改編して再掲します。

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【ユメのクルーズ船】

ナスカはお金を貯めて、念願の豪華クルーズ船の一週間の旅に出 ...

劣等感の男エヌ, 物語 Storys

 エヌは失意の中、自分の職場に入っていきました。近い将来、自分はやっぱりあんな風になるのだな、と考えていました。それは大変失礼な話です。毎日の勤めがあり、毎日働きに出かけている。失意するところがどこにあるのでしょうか。エヌはそうやって ...

劣等感の男エヌ, 物語 Storys

 いつもの朝、いつもの電車にエヌは乗り、いつもの駅で電車を降り、芸術家と共に駅を出て歩き出しています。エヌの妄想は完成していて、老紳士は芸術家で間違いありませんでした。

 ある朝、芸術家はいつもよりもさらに大きなカバンを持 ...

劣等感の男エヌ, 物語 Storys

 パターン化されて代わり映えのしない生活を送る老紳士。その老紳士が近い将来の自分の姿だという予感、そのことをエヌはどうしても払拭したいと考えました。

 なぜならエヌは、自分はそんなことになるはずはない、自分は違う、と考えて ...

劣等感の男エヌ, 物語 Storys

 劣等感を持つ男エヌの勤め先は、郊外の工場でした。毎朝決まった電車、決まった車両、決まったドアの位置に乗って通っていました。

 代り映えのしない毎日のある朝、その決まった電車の決まった位置で、大きな鞄を持った老年の紳士が立 ...