ナスカの旅, 哲学的な物語

 ナスカは月の無い暗闇の夜の中、たんぼ道を歩いていた。そこには街灯などは一切無く、控え目な街の明かりは距離を置いて遠くに置かれ、深い暗闇がだだっ広く広がっていた。夏のべったりとした空気はナスカの腕に纏わり付き、重たく生温いプールの中を ...

ナスカの旅, 哲学的な物語

 シマでの二日目。ナスカは海の見えるホテル内のレストランで朝食を摂っていた。そこでは皆、今日一日を楽しむ準備を急いでしているかのように、忙しくビュッフェスタイルの広いレストラン内を動き回っていた。ナスカは一切れのパンと小さなバターのカ ...

ナスカの旅, 哲学的な物語

 ナスカは食事に出掛けることにした。明るいグレーのワンピースに白い薄手のカーディガンを羽織り、小さなハンドバッグを一つ肩に掛けると、ローヒールパンプスを履いて5階にあるレストランへ向かった。美味しいものを食べるという悦びもまた、何かを ...

ナスカの旅, 哲学的な物語

 ナスカは今、青い空と黄色い太陽の真っ只中にいる。足下には透き通る青い海と、海を掬うような白い砂がどこまでも広がっている。遠浅の海の中で、砂浜を形作っている珊瑚の破片が動く音だけが、カラカラと辺りに響いている。砂ではない、珊瑚のカケラ ...